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6月13日 ケシの花

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 フットパスといってもちゃんとした道があるわけではない。ウェールズのフットパスは、崖と牧場の柵との間の狭いながらも自由ま空間を通っていた。ここではゲートを通って牧場に入り、次の石垣の踏み台を越えて畑を通り、またゲートを通って牧場へ、というただ踏み跡を通る道、私有地の通行許可を得ただけの道だ。このあたりでは畑と牧場が半々ぐらい。畑は小麦でも大麦でもないからライ麦かオート麦の畑、じゃがいも、ピーナツ、トウモロコシ、菜種畑。それぞれがヘッジで囲まれた一区画全部に植わっている。

菜種畑は花が終わって固い莢がびっしりついているので、一応踏み跡はあるが歩きにくい。莢が手足に当たって痛いのだ。いかにもようやく通行許可を得ている感じなのだから、踏み跡をそれるわけには行かない。牧場には牛の糞があちこちに散らばっているのでこれも歩きにくい。油断のならない道だ。

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麦畑の緑の中に所々真っ赤なケシの花が咲いている。麦の雑草としてケシが生えるのだろう。ある畑では菜の花が残っていて、そこにケシの花もいっぱい咲いていた。黄色と赤が入り交じってとても美しい。その畑はヘッジの向こうだ。入るわけには行かない。人の侵入も禁じる厳重な生け垣だ。

低い石垣が連なっているところに一部分低くなったところがある。そこをセメントで固めて乗り越える場所になっている。初めての形なのでカメラを構える。と、牛の顔が現れた。なんとその向こうには20頭ほどの牛がかたまっている。やれやれ、また牛の間を通るのか。私も慣れてきた。易しい声でささやきながら牛達の間を通っていく。振り返ると牛達が一斉にこちらを見ている。日本人がめずらしいのだろう。

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イラクサ

 草が茂っている道を歩いている内に、手がヒリヒリし出した。手の甲と腕が赤くなっている。発疹も出来ている。痛い。何だろうと見回すとイラクサだ。葉の刺毛に触れると鋭い痛みを与える植物。日本にもあって名前は知っているが刺されたのは初めてだ。気をつけてみればフットパスのへりに沢山生えている。半袖で歩いているので密生した場所では両腕を上げて歩かなければならない。この日、刺された痛みが夕方まで続いた。だが日がたつ内に草に触れても気にならなくなった。耐性ができたのだろうか。

週刊朝日百科「世界の植物」によると、イラクサはアンデルセンの「王女と11羽の白鳥」の話の中に出てくる。魔法をかけられて白鳥に変えられた兄弟の王子達を、元に戻すための試練として、王女が素手でイラクサの糸を紡いでシャツを作るという。試練になるのはイラクサが触れると痛いからだ。昔ヨーロッパでもイラクサの繊維から布が織られ、また若芽は食用になったという。日本でもイラクサの仲間、カラムシから越後上布が織られ、刺されると痛いミヤマイラクサの若芽は、東北地方ではアイコと呼ばれて食用になる。日本とヨーロッパ、ユーラシア大陸の両端で、刺されると痛い同じ植物を食用にしたり、布に織ったりするという生活技術が存在したのは、どこかに起源があるのだろうか。それとも旧人類の遺産?

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