« 6月13日 一人暮らしの楽しみ | トップページ | 6月13日 グレンヴィル記念塔 »

6月13日 ローマ軍のキャンプ跡

P6150008

 しばらく歩くと地図の上では鉄器時代の砦の跡という場所があった。丘の上で遥か遠くの丘の連なりを見渡す場所だ。小石の低い石垣があるだけ。別に看板もないのでここがそうだろうと思うだけだ。地図によれば少し離れてローマ軍のキャンプ跡もあるようだ。それも標識がないから分からない。でも見晴らしがいいからこの辺なのだろう。昔は森ばかりだっただろう。イギリスは勿論イタリアもスペインもフランスもドイツも森の国だった。森を切り開いてやっと牧場や畑を作り、人々は森を恐れるように固まって暮らしていた。森にはオオカミがいた。ロビンフッドがシャーウッドの森を根城にしていたように、森は恐ろしい世界かも知れないが、時には支配者から逃れた人々の自由の天地だった。

P6150005

 ローマ軍はカエサルの時代にイギリスに侵入すると、その後数世紀にわたってイギリスを支配した。彼らの支配のやり方は軍のキャンプ地を結んで道路を造ることから始まる。それは並の道路ではない。現代でいえば高速道路網のようなものだ。その道路網を通じてローマ文明を広めることになる。勿論それは初めは征服という形を取る。だが征服された人々にも、文明の形の中に入っていけば、ローマ市民権が与えられる。文明の恩恵を受けることが出来るのだ。そのあたりは塩野七生氏の「ローマ人の歴史」に詳しい。

P6150009

 この本はローマ人、ローマ帝国、ローマ文明とは何であったか、人類の歴史にとってどんな意味を持っていたのかを真っ正面から問う力作である。歴史研究者は無視するかも知れない。でも歴史に、つまり過去の優れた人々や文化や出来事に関心を持つ普通の読者にとって、面白くなければ歴史ではない。面白さとは何か。それは私たちの心を打つものである。歴史の中には悲惨さ残酷さ愚かしさが満ちあふれている。だがその中に偉大さ美しさもあるのだ。それが私たちの心を打つ。たんなる過去についての正確な知識の積み重ねは感動とは無縁だ。「ローマ人の歴史」は日本人が書いた歴史書としてはもっとも面白いもものの一つと言っていい。塩野氏はローマ文明の素晴らしさに率直に感動している。

|

« 6月13日 一人暮らしの楽しみ | トップページ | 6月13日 グレンヴィル記念塔 »

海外旅行」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1254530/33130334

この記事へのトラックバック一覧です: 6月13日 ローマ軍のキャンプ跡:

« 6月13日 一人暮らしの楽しみ | トップページ | 6月13日 グレンヴィル記念塔 »