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6月8日 列車に乗り遅れる

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ハイドパークの花

ホームで待っている内に白人の青年が話しかけてきた。手には古びた革表紙の本を持っている。コールリッジのエッセイ集という言葉は聞き取れた。革表紙や表紙裏のマーブル模様について説明しているようだが、その本を売りつけようとしているのか、酔ってただ本の説明をしているだけなのか分からない。胸には枯れかかった赤いバラの花を挿し、にこやかに話しかけてくる。

私はこれから旅に出かけるから、荷物になる物はいらないのだと断っても、なお話しかけてくる。そして途中でフランス語に変わったので、フランス語も分からないし英語も分からない、日本語しか分からないと言うと、イチ、ニ、サン、シなどと言い出す。愛想のいい男だ。身なりはくたびれているが、顔立ちも笑顔もとても品がある。面倒になってフランス語、ドイツ語、日本語でさよならを言うと今度はドイツ語で何か言っている。

酔ってはいるのだろう。これから重い荷物を背負って歩く旅をするのだというと、エベレストがどうとか言っている。エベレストとヘリコプターがどうしたとか。そこに電車が来たのでやっと解放され、ほっとして電車に乗り込むと、青年は通路を隔てた向かいの席に座る。

今度は隣の中年女性に話しかけている。女性ははじめは知らぬ振りをしていたが、彼女が一言何か言うと、男はまた親しげに本の説明をしている。そのうち女性も相手をし出した。そしてパデイントンの手前の駅で話をしながら二人とも降りていった。なんなのだろう。

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パデイントン駅

この地下鉄、途中で止まったりしながらいかにものんびり走っている。パデイントン駅に着いたのが9時5分前、切符売り場でブリットフレキシーパスにスタンプを押してもらわなければならない。そこでパスポートの提出を求められ、何か切符に書いてもらって釈放。列車に向かって急ぐ。駅員が手を挙げて発車の合図をしている。同じ列車に急ぐもう一人の男と一緒に列車の最後部の開いているドアにたどり着く。開いているドアは自転車置き場の車両だった。駅員に止められて万事休す。列車は出ていってしまった。

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