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6月10日 心地よい風の中を

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次は宿探しだ。公衆電話は最低料金が20ペンス、40円必要だ。10ペンス貨二枚入れて、電話が短ければ10ペンス貨一枚は戻ってくる。二枚入れた。

と、宿の奥さんがボックスの窓をこつこつ叩いている。ボックスのドアを開けると、私が電話かけるから宿に来てください、と言う。ありがたい、地獄に仏と言うより天女だ。受話器を戻す。20ペンスは戻ってこない・・・まあいいさ。奥さんの目がなんだか潤んでいるようだ。私もちょっと涙ぐむ。奥さんは子供を幼稚園に送った帰りだ。私も電話ボックスの中から二人の後ろ姿を見た。戻ってきてもまだ私が電話しているので、よほど宿探しに苦労していると思ったのだろう。ちょっと違うんだけど・・・・

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B&Bに戻る。ソルヴァの宿を探している、と言って、フットパスの案内書の中のソルソルヴァのB&Bの電話番号がいくつか書いてあるページを示す。彼女はその本を持って奥に入って行った。電話で何カ所か当たっているらしい。

そのうちに彼女の声が明るくなった。しばらく話してからサンキュウと言って戻ってきて、メモした紙をくれた。ソルヴァの宿の名前とオーナーの名前、電話番号、浜から陸側に向かって、右手に見える白い一軒家という場所の指示まで書いてある。そして奥さんは自分の処の名刺を持ってきて、困ったことがあったらここに電話してくださいという。日本に戻ったらメールを出したいのでメールアドレスを教えてくれというと、名刺に書いてくれた。礼を言って握手して別れる。本当にいい人達だ。特に奥さんの親切には心うたれた。

天気はどんどん良くなってきて、風もさわやかだ。今日もいい日になりそうだ。浜を通り過ぎるとまた崖沿いの道になる。木が全くないのでフットパスを遠くまで見渡せる。先を行く二人の姿が小さく見える。昨日と同じような景色だ。いつまでもこんな広々とした世界で、軟らかい風に当たりながら歩いていたい。海には時に変わった形の岩や洞穴が見える。陸には牧場が広がり、白い紙でもばらまいたように点々と羊が草をはんでいる。遠くに黒い点のように見えるのは牛だろう。

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今日も夫婦連れに出会う。夫が二人分の荷を背負い、妻は身軽に歩いているという夫婦も多い。妻の方が太っているせいか。大きな犬を連れている人もいる。みな時々立ち止まっては海を眺めている。一人で歩く中年の男性や、時には女性もいる。脇によって道をあけるとき、笑顔になって声を掛け合う。天気が良くていいねとか、そんな言葉だ。相手の言葉が分からないときはグッデイとかハッピーデイとか答えることにする。

ある夫婦に出会ったとき夫が、昨日も会ったね、ほらあそこで、と分からない場所の名前をいいながら嬉しそうに声をかけてきた。多分スカイ島巡りの船の船着き場だろう。これまで顔を合わせた誰とでも挨拶し合ってきているが、さて誰だか覚えていない。東洋人が一人で重い荷を背負って歩いているのは、とても印象的なのだろう。イェスタダイなんて言っているのは地元の方言なのか。開けっぴろげの笑顔はまるでこちらが古くからの顔なじみのようだ。そんな時、日本語で話しかけたくなってしまう。

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